初めて女性を好きになった。私はレズビアン?自分のセクシュアリティがわからないときに考えたいこと
これまで普通に男性を好きになってきたのにある女性のことだけが妙に気になる。会えるとうれしいし、他の人と仲良くしていると少しモヤモヤする。気づけばその人のことを何度も考えている。
そんなとき相手への気持ちと同時に浮かんでくることがあります。
「これって友達として好きなだけ?」
「女性を好きになったなら、私はレズビアンなの?」
初めて女性を好きになったときに戸惑うのは相手への気持ちだけではありません。それまで自分について当たり前だと思っていたことまで、急に分からなくなったように感じることがあります。
自分を何と呼ぶかは今すぐ一緒に決めなくても構いません。
レズビアン、バイセクシュアル、クィア。自分のセクシュアリティを表す言葉はいくつもありますが、先にラベルを決めなければ目の前の人を好きになってはいけないわけではありません。
この記事では「あなたはレズビアンです」と判定するのではなく、初めて女性を好きになったとき、自分の気持ちをどう考えていけばいいのかを一つずつ整理していきます。
「女性を好きになった」と「私はレズビアン」はいったん分けて考えていい
女性への気持ちに気づくと、すぐに「ということは私はレズビアンなんだ」と結論を出したくなることがあります。
反対にこれまで男性を好きになった経験があれば「私はレズビアンではないはずだから、この気持ちは恋愛じゃない」と打ち消したくなることもあるでしょう。
でも、この二つを最初から結びつける必要はありません。
順番は人それぞれです。最初から「私はレズビアンだ」と自然に分かる人もいれば、何年か経ってから自分に合う言葉が見つかる人もいます。
今わかっていることが「私はこの女性が気になる」だけならまずはそこから考えてもいいのです。
「好きかもしれない」と思ったら何をしたいのか考えてみる
女性を好きになったのが初めてだと、友情との違いが分からなくなることがあります。
仲のいい友達にも「会いたい」「一緒にいたい」と思うことはあります。大切な友達が別の人と仲良くしていて寂しくなることだってあります。
そのため一つの感情だけを取り出して「これは恋愛」「これは友情」と決めるのは難しいものです。
そんなときは、好きという言葉そのものよりもその人とどんな関係になりたいと思っているのかを見てみると、自分の気持ちを考えやすくなります。
二人きりで会いたい、もっと自分のことを知ってほしい、相手のことも深く知りたい。そんな気持ちが強くなることがあります。
もし相手も自分を好きだったら付き合ってみたい、デートしてみたい、恋人として隣にいるところを想像することがあります。
手をつなぎたい、抱きしめたい、キスをしてみたいなど身体的な親密さを求めることもあります。
恋人になりたいかは分からなくても、その人だけは他の友達とは少し違う存在に感じることもあります。
これらが全部そろわなければ恋愛ではないという意味ではありません。
恋愛的に強く惹かれても性的な気持ちはあまりない人もいますし、身体的には惹かれていても恋人になりたいのかはまだ分からないこともあります。
大切なのは、決められた「女性を好きになった人の条件」に自分を当てはめることではなく、自分の中で実際に起きている気持ちをそのまま見てみることです。
こんな理由だけで自分の気持ちを否定しなくていい
初めての感情には確信がありません。そのため「でも私は○○だから」と好きかもしれない気持ちを否定する理由を探してしまうことがあります。
以前の恋愛をなかったことにする必要も、現在の気持ちを勘違いにする必要もありません。
実際に付き合ってみなければ絶対に分からない、と無理に誰かと交際する必要もありません。
「この人だから好き」と感じているなら、今はその気持ちだけを大切にしても構いません。
男性を好きだった自分と女性を好きな今の自分は矛盾しない
特に戸惑いやすいのが、これまで男性と恋愛してきた人です。
「元彼のことは本当に好きだった。それなのに女性も好きになるならあの恋愛は何だったんだろう」と考えてしまうことがあります。
どちらかを否定しなければもう一方が本物にならないわけではありません。
自分をバイセクシュアルだと感じる人もいるでしょう。後になってレズビアンという言葉の方が自分に合うと感じる人もいるかもしれません。
あるいはどちらの言葉も使わず「好きになる相手が女性のこともある」と考える人もいます。
今の自分を理解するために、過去の自分を否定する必要はありません。
レズビアン、バイ、それとも決めない? ラベルは自分のために使っていい
自分のセクシュアリティに名前がつくことで、気持ちが楽になることがあります。
「自分だけじゃなかったんだ」
「同じような女性がいるんだ」
そう思えることは、レズビアンやバイセクシュアルといった言葉を知る大きな意味の一つです。
一方で、ラベルを選ぶこと自体が新しい悩みになる場合もあります。
「レズビアンって名乗っていいのかな」
「あとで男性を好きになったらどうしよう」
「どの言葉もしっくりこない」
そんなときは無理に決めなくても構いません。
「女性が好き」でも、「今はこの人が好き」でも、「まだ自分でも分からない」でもいいのです。
ラベルは自分を縛るための資格ではなく、自分の気持ちを理解したり、誰かに伝えたりするときに使える言葉です。
自分で気づいたからといって、誰かに話す必要はない
女性への気持ちに気づくと、今度は「家族や友達に言った方がいいのかな」と考えることがあります。
でも、自分の気持ちを理解することと、それを誰かに公表することは別です。
まだ自分でも分からないなら、もちろん説明する必要はありません。自分の中ではっきりしていても、周囲に必ず伝えなければならないわけではありません。
誰に話すのか。どこまで話すのか。そもそも話さないのか。
それは自分が安心できる範囲で決めていいことです。
答えを探すなら「私は何?」以外の質問もしてみる
自分のセクシュアリティが分からないと、「私はレズビアンなのか、違うのか」という一問だけをずっと考えてしまうことがあります。
でも、今の段階では答えられない質問を何度繰り返しても、苦しくなるだけかもしれません。
そんなときは少し質問を変えてみます。
私は、この人のどんなところに惹かれているんだろう。
もし相手も私を好きだったらどんな関係になりたいだろう。
二人でデートしたり恋人として過ごしたりすることを想像するとどう感じるだろう。
「女性を好きになってはいけない」という不安がなかったとしても、この人を好きだと思うだろうか。
全部に答えを出す必要はありません。
むしろ、自分が何者なのかを判定するためではなく、今の自分が何を感じているのかを知るための問いとして考えてみてください。
時間が経ってから「あのとき感じていたのは恋愛だったんだ」と分かることもあれば「大切な人だったけれど、恋人になりたい気持ちとは少し違った」と気づくこともあります。
どちらになったとしても、今感じていることが無意味になるわけではありません。
「私は何?」より先に、「この人が好きかもしれない」を大切にしていい
初めて女性を好きになったときは、相手への気持ちより自分自身が変わってしまったような感覚に驚くことがあります。
でも、女性を一人好きになった瞬間にこれまでの人生を全部説明し直す必要はありません。
過去に男性を好きだったこと。今、女性に惹かれていること。まだ自分のセクシュアリティがよく分からないこと。
それらは同時に存在していても構いません。
いつかレズビアンという言葉がしっくりくるかもしれません。バイセクシュアルという言葉を選ぶかもしれません。特定のラベルを必要としないまま過ごすかもしれません。
大切なのは正解のラベルを早く見つけることではなく、自分が感じていることを「そんなはずはない」と無理に消してしまわないことです。
自分の気持ちを知るのには少し時間がかかっても構いません。
そして一人で考えているうちに「同じように女性を好きになる人と話してみたい」と思うこともあります。
L-Loversには女性同士で友達や恋人、まずは話せる相手などを探せるレズビアン掲示板があります。恋人探しと決めなくても、同じ女性を好きになる人とつながるところから始める方法もあります。